news

インドのAdani、5G市場参入を断念、周波数をAirtelに売却

インド通信大手のBharti Airtelは2025年4月22日、同国のアダニグループ傘下のAdani Data Networksから26GHz帯の400MHz幅を取得する契約を結んだと発表した。インドの5G通信市場への参入を目指していたア...

2025/05/27

Posted on 2025/05/27

インド通信大手のBharti Airtelは2025年4月22日、同国のアダニグループ傘下のAdani Data Networksから26GHz帯の400MHz幅を取得する契約を結んだと発表した。インドの5G通信市場への参入を目指していたアダニグループだが、今回の周波数帯売却は実質的な撤退の判断とみられる。

アダニグループは港湾やエネルギー、インフラ分野で急成長を遂げたインドの新興財閥。2022年に同国の5G周波数帯オークションで今回の周波数帯を21億2000万ルピー(約35億円)で落札。空港や港湾、物流、発電、流通、製造などの事業に向けたプライベート5Gなど、産業向け5G分野での通信市場への参入の意向を示し、ノキアとの協業も模索していた。しかし、取得周波数帯の活用は進まず、今年初めにはインド規制当局からの調査対象となっていた。

インド通信市場はこれまで、大手3社であるBharti AirtelとReliance Jio、Vodafone Ideaの寡占構造にあった。このうち、AirtelとRelianceはいずれも2022年に5Gサービスを提供開始。一方、財務的な課題を抱えるVodafone Ideaは5G展開で二の足を踏み、2025年3月にようやく5Gサービスをスタート。このような状況で、アダニグループは業界再編を促す新たなプレイヤーとして一定の期待も集めていた。しかし、今回の撤退により今後はAirtelとRelianceの2強体制が一層強まる可能性がある。

資料

TeleGraphic Weekly
ニューズレター(メルマガ)「TeleGraphic Weekly」の購読はこちらから(無料)
JA