
米国の関税政策、プライベート5G市場にも打撃か(ABIリサーチ報告書)
調査会社ABI Researchは先ごろ、米国の関税政策がテクノロジー業界に与える影響について検証した新たなレポートをリリースした。この中で、現在の不透明な関税政策がプライベート5G市場にも悪影響を与える可能性に言及している。...
2025/06/03
Posted on 2025/06/03
調査会社ABI Researchは先ごろ、米国の関税政策がテクノロジー業界に与える影響について検証した新たなレポートをリリースした。この中で、現在の不透明な関税政策がプライベート5G市場にも悪影響を与える可能性に言及している。
このレポートでは、プライベート5Gの構成要素であるハードウェア、ソフトウェア、サービスの多くが米国外で開発・製造されていると説明。この上で、RAN機器やプライベート5Gコアなどのハードウェアには最大25%の価格上乗せが発生し、そのコストが顧客に転嫁される可能性があると指摘している。これは、中小企業(SMEs)などがプライベート5Gの導入を思いとどまる十分な理由となるという。
一方、同レポートはソフトウェアベースのプライベートネットワーク・プラットフォームを提供するベンダーについては、関税政策の影響を受けにくく、有利に働く可能性があることも指摘。これらの事業者はAWSやMicrosoft Azureなどの大手クラウド事業者との連携によって、比較的ハードウェアに依存しない柔軟なサービス展開が可能であるためだ。
ABI Researchのリサーチ・アナリストであるShadine Taufik氏は「プライベートセルラーのような市場は、顧客がイノベーションのために新たなインフラに投資する意欲に大きく依存している」とし、「米関税政策はモバイルネットワーク事業者(MNO)やシステムインテグレーター(SI)、さらにインフラベンダーの売上に大きな影響を与える可能性がある」とコメントしている。