
ソフトバンクのAI-RAN、実網で上り30%高速化 商用導入に向け前進
ソフトバンクは2025年8月21日、RAN(無線アクセスネットワーク)向けの新たなAIアーキテクチャを開発し、5G通信の性能を大幅に改善できることを実証したと発表した。同社の「AI for RAN」の研究の一環で、AI-RANのライブネット...
2025/09/22
Posted on 2025/09/22
ソフトバンクは2025年8月21日、RAN(無線アクセスネットワーク)向けの新たなAIアーキテクチャを開発し、5G通信の性能を大幅に改善できることを実証したと発表した。同社の「AI for RAN」の研究の一環で、AI-RANのライブネットワークにおける実用化に向けた重要な一歩だという。
今回開発したのは「Transformer」と呼ばれる高性能AIモデルを活用したアーキテクチャ。従来の仕組みに比べて、電波の反射や干渉といった複雑なパターンを捉え、電波状況をより精密に予測できるのが特徴だ。また、信号の強さといった物理的特徴を保持する独自設計を採用し、さまざまな通信処理に応用できる汎用性も備えている。
実際のネットワークを使った試験では、上りの通信速度が約30%速くなり、データ処理の遅延も1ミリ秒未満に抑えられたとのこと。また、シミュレーションでは下りの通信速度も最大31%(時速40kmで移動する端末において)向上する効果が確認されたという。
ソフトバンクは今回の成果について「従来は難しかった高性能化と低遅延化の両立を実現した」と説明。今後は商用化に向けた取り組みを加速するとしている。