
5G技術のネットワークスライシングを固定網に応用−−Google Fiberとノキアが家庭向けで実証
米Google傘下の光ファイバー事業者であるGoogle Fiber(GFiber)は2025年6月30日、フィンランドのノキアと、家庭内ネットワーク向けのネットワークスライシング技術のデモを実施したと発表した。5Gコア技術の家庭ブロードバ...
2025/08/05
Posted on 2025/08/05
米Google傘下の光ファイバー事業者であるGoogle Fiber(GFiber)は2025年6月30日、フィンランドのノキアと、家庭内ネットワーク向けのネットワークスライシング技術のデモを実施したと発表した。5Gコア技術の家庭ブロードバンドへの応用を通じ、用途別に最適化された通信体験の実現を目指す。
今回のテストでは、1本の家庭内ネットワークで2台のゲーム機を運用し、1台にはゲームトラフィック専用のスライス(仮想的な専用レーン)を割り当てた。この結果、意図的に回線の混雑を引き起こした環境でも、スライスを割り当てたゲーム機は安定したパフォーマンスを維持できたという。
ネットワークスライシングは、5G SA(スタンドアロン)の代表的な機能の1つで、用途やユーザーに応じて帯域幅や遅延、信頼性などを差異化して提供できる技術。これまで産業用途や法人向けサービスを中心に展開されてきたが、家庭向けブロードバンドでは、ゲーミング、リモートワーク、AIアプリケーションなど多様なニーズへの対応が期待される。
GFiberはまた、スライシングをトランザクション単位で自動的に適用する仕組み(transactional slices)についても言及。この技術が実現すれば、例えば、オンラインバンキングへのログイン時などに自動的に専用スライスを割り当てることで、より安全なログインが可能になるという。
なお、両社は現時点で同技術の商用展開の時期については明らかにしていない。