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中国研究チーム、0.5G~115GHzを1枚で網羅する6G向けチップを発表

中国の北京大学と香港城市大学の研究チームは2025年8月27日、世界初となる「全周波数対応」無線チップを英科学誌「Nature」に発表した。単一の通信チャネルで毎秒100Gbpsを超える伝送を実証し、将来の6Gで全スペクトラムを活用する可能...

2025/10/07

Posted on 2025/10/07

中国の北京大学と香港城市大学の研究チームは2025年8月27日、世界初となる「全周波数対応」無線チップを英科学誌「Nature」に発表した。単一の通信チャネルで毎秒100Gbpsを超える伝送を実証し、将来の6Gで全スペクトラムを活用する可能性を示している。

新たに開発されたチップは、11mm×1.7mmと小型でありながら、0.5G~115GHzという非常に幅広い周波数帯をカバーすることが特徴だ。従来は複数の無線システムに分かれて扱われていた範囲を、9つの連続バンドとして1枚で処理できる。鍵となるのは「光電子融合」と呼ばれる方式で、広帯域・低損失な光の特性と、制御や信号処理に優れた電子回路の強みを組み合わせている。

研究チームは論文の中で「我々のシステムは、将来の全周波数帯・全場面対応型の無線ネットワーク実現に向けた画期的な一歩になる」と述べ、「これにより、従来の方式よりも幅広い帯域を使え、通信速度が速く、機能も柔軟に切り替えられる無線通信が可能になる」と成果を強調している。

今後はスマートフォンや基地局、ドローンなど多様な通信機器への応用やモジュール化が見込まれており、6G時代に向けた実用化の行方に注目が集まる。

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